弊社は社寺建築を専門とする建築設計事務所です。
我々は設計という立場から社寺建築業界をサポートさせていただいております。
私自身も純粋に社寺建築が大好きであり日本の伝統建築に携われる喜びと設計の醍醐味を日々感じております。
しかしながら、社会情勢が今までにない大きな変革期を迎えている事をひしひしと感じ、漠然とした胸騒ぎがしております。私は長きにわたり建築設計の世界に携わってきましたが、ここまでの大きな変化を感じるのは初めてであり、これから建築業界がどのように変わっていくのか楽しみと不安が入り混じっております。
社寺建築は一般建築とは違い社会の流れとは隔絶している印象もありますが、むしろ社会の動きと、より密接に関わっていると思います。
生活スタイルや社会情勢がここまで変化してくると、社寺建築であっても今まで通りに造っていれば良いという訳にはいきません。このような流れの中では柔軟に対応しながら設計に取り組める設計事務所や設計士の存在が重要になってきます。
弊社はその担い手として、お寺の御用聞きとなり、お寺の要望に柔軟に耳を傾けられ、新旧問わず多岐にわたって応えられる設計事務所であります。
どうしても社寺建築というと、宮大工にスポットライトがあたりがちですが、一般建築と同様、いざ普請をするとなると設計する人も必要になってきます。
次々と変わっていく法律による規制、社寺建築の複雑さや特殊性、敷地内に多くの棟が乱立する状態や、あるいは時代が要求する宗教建築のあり方など、様々な要望や条件などにあふれかえり、これらをまとめるには専門家の力が必要になってきます。
特に工事見積が適正金額であるのかは第三者の考察が必要になってきます。
そのまとめ役となるのが設計士なのです。
この業界的には地味な存在かもしれませんが、私はその設計という立場で働けることに喜びを感じています。
社名の「起雲」とは、その名のとおり雲を起こすという意味の造語です。風に流されながらも自由自在に形を変え、時には雷鳴を轟かせる雲のように、お寺のご要望に寄り添いながらも、大事な要素においてはブレないで意思を貫く。
お寺で新しくおこった普請の流れをうまくまとめる存在でありたいと、そんな願いを雲になぞらえました。
また、設計士というのは何もない状態から一歩を踏み出すきっかけを作る存在だと思っています。つまり、0(ゼロ)を1にする仕事だと思っております。雲を起こし、共鳴する皆を巻き込みたいという気持ちから「起雲」としました。
私は設計事務所というのは、建築で困っている誰かと手を携えて共に歩んでいく協力者であると思っています。施主、工事会社、あるいは同業種の設計事務所とも助け合って、皆様のお役に立てるよう努力してまいりますので、是非お声掛けをいただき、お力になれればと思っております。
株式会社 起雲社寺建築設計
代表取締役 野村 建太