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社寺建設の指南書

寺業計画

寺業計画

建設に向けてお寺の組織作り

諸堂の建築を維持するためのお金

諸堂の建築を維持するためにはお金がかかります。小さな工事であればお寺で積み立てているお金でも用立てできますが、工事の規模が大きくなると、それではとても賄えません。

寺院は、住職のものではなく檀信徒全員のものです。お寺を維持するために必要な費用は、住職のみならず、檀信徒の寄付から賄う必要があります。

それを審議するために、檀信徒の代表である総代が建築工事を進めるか否かを決めるための会議を開きます。ここで、御住職が作成した今後の事業計画等を説明し、この工事が何故必要なのかを説明するとスムーズに事が運ぶかもしれません。

建設委員会を作る

工事が認められれば、一般的に建設委員会を作る必要があります。
もちろん、住職の独断で進めても良いですよと言う声が多ければ別ですが、檀信徒の貴重な浄財を集めるからには、檀信徒の代表として建設委員を選出し、建設にあたっての組織である建設委員会を作ることが望まれます。

建設委員会の組織構成は、お寺によって色々なパターンがあるので一概に言えませんが、一般的な例を挙げながら組織の作り方を説明します。

基本的には住職とは別に、建設委員長を決める必要があります。委員長は総代長がなる場合もありますが、総代とは別に建設委員会を組織する場合もあります。

委員長は、人望も厚く、お寺のことを親身になって考えてくれる人が適任かと思います。また、建設委員会の中には建築に詳しい人材を入れてもよろしいかと思います。その場合、いたずらに自分の経験に基づいた考え方をふりかざすのではなく、建設的に物事を判断していただけるような人材であると大変頼りになると思います。

建設委員会組織構成の例

委員長1名
副委員長1名以上
会計2名以上
会計監査2名以上
書記2名以上
副委員長が兼任する場合もあります。

なお、檀信徒全員を知っているのは住職のみで、基本的には檀信徒どうしが知らないということは当然の事です。
それゆえ、建設委員を選出するにあたっては、御住職がある程度の目星をつけておき、人格者である人で構成されるように根回しをすることも大切かもしれません。

建築計画を檀信徒の皆さんに周知していく中でも、皆さんの中から、適任者の声があがってくるかも知れません。そういう声に対し、つぶさに耳を傾けながら、最適な人材を絞っていき、事前準備をして檀信徒総会で発表すれば反対の声は少なく、選任もスムーズになると思います。

もちろん総代が建設委員を兼任することもよくみかけます。組織作りに決まりがあるわけではありません。
お寺ごとに最もスムーズに事が運ぶだろうという人材を見つけ出して進めるのがいいでしょう。

Writer

起雲社寺建築設計 代表

野村 健太

社寺設計において伝統的な日本の建築様式や文化に詳しく、現代のニーズにも応えた美しく機能的な設計を手がけています。社寺設計における専門的な知識や経験を活かし、計画から工事、式典まで一貫して社寺建築業界をサポートします。

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